ツーリングトーク バイク談義

オフロードバイクの整備とツーリングキャンプのノウハウ

知床と斜里岳の道

北海道ツーリング2011

知床と斜里岳の道

2011/08/13 0 km 天候:晴れ
ウトロ−斜里町−屈斜路湖

羅臼岳

知床と斜里岳の道

羅臼の街まで一度降って羅臼岳を見る。
この山の別名の羅臼富士の姿を久しぶりに見たかったからだ。どうしたわけか、羅臼の辺りに来る時は曇りか雨ばかりだった。オホーツク海沿いのウトロでは晴れていてもだった。

幸い、青空が広がっているので、10数年ぶりに羅臼から、標高0メートルから羅臼岳を見る。羅臼富士の由来がよく分かる、端正な姿が見られた。
この山に登ったのは昨年の9月だが、ひどい霧と強風で山は全く見えなかった。

羅臼町というのは斜里町ウトロとともに知床の玄関口なのだが、第一次知床ブームの昭和30年代から観光という手間暇の掛かる産業には興味が無い様だ。
知床が世界遺産になって以降も観光設備は羅臼ビジターセンターが建てられたくらいでほとんど変化がない。

これは漁業という街の背骨をなす産業があるからだ。世界遺産になった当時、「漁業が制限されるので迷惑だ」と明言する町民が多かった。当時、北海道に在住していて、聞いていて小気味よかった。
世界遺産というのは、日本においては100%観光のために登録をしているので、観光以外でも食っていけるのであれば、登録する必要はない。

知床峠

知床と斜里岳の道

知床峠に立って、太平洋側、オホーツク海側の双方が晴れいるのは初めてだ。ここから国後島を見るのも初めてだ。
オホーツク海のあるウトロ側は晴れていることが多いのだが、峠まで来ると深い霧や雨という時が多く、大抵はここからウトロに引き返している。希に、羅臼から知床峠まで晴れていると、ウトロ側が曇っていて何も見えなかった。

登山を始める前は、羅臼岳の登山道は知床峠から山頂まで延びているものだと思っていた。実際には違っていて、海沿いの岩尾別温泉か熊の湯に登山口がある。富士山や日本第二の高峰の北岳と同じくらい登山口から標高差がある山だ。

知床峠から見ると、羅臼岳はなまえの通り、羅臼の山だと思う。
ウトロ側からも、例えば知床五湖からも見られるが、知床連山全体が見渡せるので、羅臼岳が際立っては目立たない。山を詳しく知らなければ、どれが羅臼岳だか分からないだろう。

海上には国後島が浮かんでいる。
羅臼岳からの景観を見ることが出来なかったので、ここから見られる国後島と太平洋の景観を、頭の中で修正をして羅臼岳のある標高1500mからの姿に変える。

山の景観を愛でるのはいいが、やはり自分で一度は登った山でないと愛着を持っては見られないだろう。
観光客の多くは入れ替わり立ち替わりしていて、特に羅臼岳に愛着を持っている風には見られない。そうした観光客を尻目に、ずいぶん長い間、知床峠にいて羅臼岳を開かず眺めていた。

ウトロの街

知床と斜里岳の道

昨年(2010/9)、数年ぶりでウトロの街に来て、道や街並みが大きく変わっていて驚いたことがある。斜里町は観光熱心な街で、大幅な予算をウトロの街の再開発に裂いたのに違いない。
昨年はまだ工事中のところも多かったが、今年は道も綺麗になり、街も少しだけ綺麗になった。

高級なホテルが多く、以前に冬のウトロを訪ねた時には、自分の予算で泊まれるホテルや旅館がなかったので、斜里町の街中の旅館に2泊したことがある。別に世界遺産になったから宿泊料金が値上げになったわけではなく、以前からウトロは高めの料金設定だった。
数年でこれほど変わると、ますます羅臼との差が付いてしまいやしないかと、羅臼町の心配をしてしまう。

知床の海岸道路は、日本の海沿いの道の中でも指折りだろう。羅臼側、ウトロ側、どちらもすばらしい。これだけ海が近く、変化に富んでいる道も少ない。下北半島、薩摩半島、能登半島の海岸道路がこれに近いか。

オシンコシンの滝を観光客と群れて見るのもうっとうしいので、旧道を通って滝の瀬肩にたどり着いたものの、冬と違って樹木の葉が茂り、滝がほとんど見えない。冬と夏の樹木の繁栄の差までは気が回らなかった。やむなく、下に降りて、駐車場から歩いて滝を見る。

写真学校の講師と学生らしい一段が、営業をしているのがうるさい。こうした公共の場で、一私人が営業活動をすることはやめて欲しいものだ。

斜里岳

知床と斜里岳の道

斜里岳の周りには沢山の林道がある。
斜里岳林道から初めて、富士林道、富士の沢林道、知恵柵林道、斜里川林道と走ってゆく。10kmから20kmの長さがあるので、全線を走ると結構時間を取られる。

昔、昭和30年前後までは、斜里岳に登るのに山中に一泊をしたそうだが、今は午前中で往復できるまでに登山道が整備された。
この日も5合目にある清岳荘まで走ってみた。清岳荘に着いたのは丁度昼だったが、もう数組の登山者が下山をしていて、山の様子などを話し合っている。

斜里岳は富士山を除くと、日本でもっとも美しい山かも知れない。
春夏秋冬の斜里岳を見ていてそう思う時がある。
登山を始めたきっかけの幾割かは、斜里岳の美しさに惹かれたからだ。

神の子池

知床と斜里岳の道

斜里岳の東側にある江鳶奥林道、ペーメン林道、斜里川林道を走ってから神の子池に向かう。
道道から神の子池まで2kmほどのダート林道を走るのだが、びっくりするくらいの交通量がある。

ロードバイクがのろのろ運転をしていて渋滞を作っている。後を走っている乗用車のドライバーは、ロードバイクにずいぶん追い越されているだろうから、複雑な心境だろうと想像をする。

神の子池ってこんなに人気があったっけ。
駐車場はそれほど根ではいないのだが、それは入る車が多いが出て行く車も多いからだ。
池の周りを歩いている人がとても多い。
こういうところは、本当は来たくないのだが、林道がある以上はやむを得ないとあきらめる。

西別岳の林道

知床と斜里岳の道

時刻を見てこれから走る予定のエリアに要する時間を計算すると、多少の余裕が出来ていた。
予定になかった裏摩周展望台によってみる。

摩周湖を見たかったと言うよりも、数年前に立ち寄った時には、樹木の背丈が高くなり、展望台から摩周湖が見えなくなりつつあったので、その後、樹木を伐採したのか、そのままにしてあるのか興味があったからだ。

樹木は伐採されていず、見えるはずの摩周湖の1/3を隠していた。
予算が無くて切れないのか、眺望のために樹木は切らないと決めているのか、後者ならちょっと嬉しい気分だ。

さて、この後、西別岳の周辺にある林道を全て走ったのだが、GPSのバッテリーが途中で切れるというアクシデントがあったので、翌日、また走ることとなった。
西別岳というのは夕日の時刻がもっとも美しい山で、一度は登りたいと思っているのだが、あまりに標高が低く、登山に要する時間も短いので躊躇している。

この日は洗濯の日で、混んでいるのは分かっていたが、コインランドリーのある屈斜路湖のキャンプ場にどうしても泊まりたかった。
キャンプ場は混んでいたが、思ったほどではなかったので、オートバイの駐車場の脇の空きスペースにテントを張り、洗濯物を済ませた。

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