夏はメッシュジャケットがお薦めです。わたしはゴールドウィンスポーツのメッシュジャケットGSM2507を10年以上も愛用していますが、メッシュジャケットを使い続ける理由の第一は、Tシャツで走るよりも涼しいからです。第二の理由は安全性、第三の理由はポケットの多さから来る収納力です。
林道は山岳地帯を通る道路が多くありますが、夏の晴れた日には涼しいとは限りません。また、林道と林道をつなぐ国道や都道府県道の区間はアスファルトの照り返しもあって、高い気温となります。
こんな時、少しでも涼しい方が思考がしっかりとしていて、とっさの判断ミスを防いだり、飛び出しに対処できたりします。
暑いよりも涼しい方が良いのです。
フェーン現象で36℃以上の気温となった山形県や北海道北見市などを終日走ったときに思考が低下した経験からの判断です。
他社製品では使い物にならないメッシュジャケットもありましたが(某T社の夏ジャケットは散々でした)、ゴールドウィンスポーツのメッシュジャケットは、風の通り道、つまりベンチレーションがしっかりと確保され、通り方も計算されているので、Tシャツで素肌を風にさらしている場合よりも体が涼しく感じます。この事は買った当初に気がついたので、真夏の炎天下信州ツーリングや8月北海道ツーリングで、ジャケット無しと有りでどの程度の体感温度が異なるか試したので、断言できます。
素肌の方が涼しいかジャケットを着た方が涼しいかの気温のボーダーラインは30℃です。30℃よりも気温が低いときは素肌で走った方が涼しいですが、30℃以下の気温ならTシャツで走る必要はありません。
第二の理由は安全性です。オートバイに乗るときは半袖短パンは身につけないという原則があるにはあるのですが、大抵は無視されます。わたしも無視したことが有ります。そのときに限って転倒してしまって痛い目に遭いました(帝釈山林道にて)。
転倒したときに体が素肌なのとジャケットの生地で覆われているのでは、どちらが路面との摩擦に強いかは説明の必要が無いでしょう。
ジャケットです。
問題はジャケットの素材、生地と、プロテクターをストレス無く身につけられるような構造になっているかどうかです。
ジャケット本体は透湿防水性の化学繊維を使っていますが、肘の部分や方の部分など万一の転倒時に路面などと摩擦を起こす箇所には強化化学繊維が縫い付けられていることが必要です。また、この強化化学繊維は本当に強度の高いものである必要があります。単に色が黒い化学繊維ではいけません。
ついでに言うと、ゴールドウィンスポーツのジャケットで転倒してしまい、右腕が擦過傷でボロボロとなった場合、修理に出すと新品のようになって帰ってきます。ただ修理価格が高額でジャケットの実売価格の半分ほどでした。
ジャケットにはプロテクターが付けられるポケットがついていますが、このポケットの位置と大きさによって付けられるプロテクターの大きさが決まり、付けやすさも決まります。付けられる種類が少なく気に入ったプロテクターが買えなければ付けなくなりますし、取り付け取り外しが面倒くさいポケットなら、洗濯をするときなどプロテクターを外してしまうと、二度と付けなくなります。
写真はゴールドウィンスポーツのメッシュジャケットのプロテクター用のポケットです。
ジャケットに身につけられるプロテクター・防具には大きく2種類があります。表面に硬質樹脂が張られているタイプ(写真左)と、柔らかい樹脂のタイプ(写真右)です。
実際に転倒をしてプロテクターのありがたみを感じるシーンの時、硬質タイプでも柔らかタイプでも、プロテクターが付いていれば問題はありません。
硬質プロテクターの場合はクッションが薄いために痛みを感じますが、柔らかいタイプは痛みを感じないですむかの違いだけで、怪我をせずにすむかのどちらも同じなので、良い結果が得られます。
選ぶシーンでは、自分のジャケットのプロテクター格納ポケットに無理なく収まるプロテクターを選んでください。硬質軟質は問わずにおきましょう。
写真は短いタイプのプロテクター(軟質タイプ)です。ジャケットのポケットに入れて保護される肘は、おおむね写真の様なイメージとなります。
転倒時で一番ダメージが大きいのが肘ですが、そこはしっかりと保護してくれます。
上記のプロテクターよりもやや長いタイプで肘から手首まで保護してくれるので安心感があります。
ただ実際の転倒では、強打するのが肘の部分だけで、肘から手首にかけてはあまり保護の必要はありません。
ジャケットによっては、プロテクターのポケットがこの長いタイプしか格納できないモデルもあるので、ジャケットとプロテクターを組み合わせて購入する際には注意をしておきたいポイントです。
ポケットが深いタイプのジャケットには、短いタイプのプロテクターは装着できません。装着してもプロテクターが肘に位置しないからです。
逆に浅いタイプのジャケットには長いタイプのプロテクターは物理的に装着できません。
写真のプロテクターはインナータイプでは無く、直接ベルトで腕に固定するタイプです。とてもがっしりとした造りのプロテクターですがコンパクトに作られているのでインナーとしても使える優れものです。
1999年夏の北海道ツーリングの時、美瑛で車にはねられたときもしっかりと肘を守ってくれた実績があります。
安心感のあるプロテクターなので、わたしは殆どのツーリングでこのプロテクターを使っています。
肘パットの他に、肩プロテクターが格納できるジャケットがあります。写真のGSM2507の肩の部分が肩プロテクター用のポケットとなっています。肘ぱっとよりも小さなポケットです。
わたしの転倒の経験から言うと、肩から着地をすることは滅多に無く、肘プロテクターに比べると必要性は低いです。
転倒時に方から着地をしたのは福島県の大窪林道での転倒のときと剣山スーパー林道でFサスペンションが底を打ってバイクごと跳ね上げられバイクが4m、私が6m吹っ飛ばされたときの二度だけです。
わたし自身は必要性を感じないので、肩プロテクターは装着したことはありません。
胸のメッシュの機能の紹介です。
この写真は胸のメッシュが覆い隠されています。
この写真はメッシュを開いています。
気象条件に応じて、寒い気候の時はメッシュを閉じて走り、暑いときはメッシュを開いて走ることができます。
左右の腕にファスナー型のメッシュがあります。暑ければ開け、寒ければ閉じます。大変に通風性の良いベンチレーターなので、この開口部を開けるだけで、体感温度がグンと下がります。
胸や腕から入ってきた風が通り抜けられれば、更に涼しくなります。
そうした配慮が背中のメッシュ機能です。
写真は閉じています。
背中のメッシュ機能は開け閉めが出来ます。暑ければ開け、寒ければ閉じます。
開けた生地はばたついたりしないように、ボタンで止められます。
わたし自身は脊椎プロテクターの代わりとしてリュックサックを背負っているので、あまりこの背中のメッシュ機能の恩恵は受けていませんが、開けないよりは開けた方が涼しいです。
H.N.うーたん(Yuichi Mizunuma)
当サイトの執筆・撮影とシステムの製作等全てを行っています。林道への案内板やクライミングトークのWebMasterでもあります。使用バイクのジェベルXCは1997年型、2002年型と乗り継ぎ、三台目の2004年型のジェベルXCを売却して、現在はバイクツーリングには行っていません。、これまでのツーリングの総走行距離は約21万kmです。
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2013年まで、春夏秋冬、北海道から九州沖縄まで、ツーリング・登山・サイクリング・パドリング(カヤック)をしています。年間のテント泊数は40泊から60泊程度、日帰りを含めると年間80日くらいはアウトドアにいました。
現在は東京都八王子市高尾に在住しています。オートバイから少し離れていて、主に登山とサイクリングを趣味にしています。
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